2024年のシナリオ予想

目次

  1. 前提
  2. 各国の経済予想
  3. 各中央銀行の金融政策
  4. 地政学リスク
  5. 暗号資産
  6. 各資産の状況

前提

あくまで趣味で投稿しているので、考察が間違っている可能性もあります。本職はエンジニアなので、、、

なので、間違っていたら色々コメントしていただきたいです。

各国の経済予想

経済予想に関して、GDPをベースとして考えていきます。

対象国は、世界でGDPの占める割合が多い、米国、中国、日本、EUを中心に予想していきます。

予想と言っても、一から統計取って考察する時間ないので、各省庁、中央銀行が出している資料を元に考察していきます。

米国

先に、シナリオの全体像から確認していきます。シナリオのパターンは、3つあるかなと。

  1. 金利維持 - 金融危機 - リセッション(景気後退) - 株価下落 - 金融緩和(利下げ)
  2. 金利維持 - インフレ収束、経済拡張幅の縮小 - 金融緩和(利下げ) - 株価上昇
  3. 金利維持 - インフレ収束せず、経済拡張幅の縮小 - 金融緩和引き締め(さらに利上げ) - 株価下落

1は最悪のパターンですね。基本的にこのパターンが過去の歴史を見ても多い気がしますが。2は、一般的に言われているソフトランディングです。今(2024/01/10時点)はこのパターンかなと。3は、さらなる利上げのパターンです。

パターンを想定したところで、

まず、現在の経済状況を確認するには、GDP成長率の把握からしていきます。
GDPは、名目と実質がありますが、物価変動を除いた実質GDPをしっかり見といた方がいいので確認しておきます。

下記は、実質GDP(前四半期比)の推移です。

直近(第3四半期)の実質GDP成長率(確報値)は、4.9%と下方修正され着地しました。予想(5.2%)を下回ったものの、景気の拡大は依然続いていますね。

予想よりも個人消費が下ぶれた(予想:3.6%, 結果:3.1%)為の下方修正になります。一方、PCEコアデフレーターは、予想2.3%に対して、結果2.0%と下方修正されました。つまり、物価は下がってきていることになります。

直近(第3四半期)の数値を把握したところで、

次に、2024年度以降の実質GDPの予想をしていきます。参考にする資料は、SEP(Summary of Economic Projections)です。SEP(Summary of Economic Projections)とは、FRBから公表される、経済見通しの資料です。

下記資料は、「SEP(Summary of Economic Projections)」からの抜粋になります。

米国実質GDP

見方が分からないかと思うので簡単に説明します。

黄色の枠で囲ったのが、「実質GDP(Change in real GDP)」です。

一番上に項目が3つありますが、左から「中央値(median)」、「中央傾向(Central Tendency)」、「範囲(range)」です。

「中央値(median)」とは、データを小さい順に並べた際に、真ん中にくる値のことです。
この資料では、FOMCの参加者の予測値を小さい順に並べた、真ん中の値のことです。

SEP(Summary of Economic Projections)によると、来年度の値は1.4%と下振れていることが分かります。成長率は2023年と比べて減少する(景気後退ではない)と予想されてます。

2025 ~ 26年に関しては、1.8 ~ 1.9%と徐々に回復していくと予想されてます。

この資料からも分かるように景気後退(リセッション)はしないとFOMCの参加者は考えていることが読み取れます。ただ、あくまで中央値(median)でしかないので、参考にするのは中央傾向(Central Tendency)にした方がいいと思います。

中央傾向(Central Tendency)とは、FOMCの参加者が予測する数値が、どこに集中しているかを確認する値になります。上記の資料からは、範囲で記載されており、1.2 ~ 1.7%と幅があることが分かるかと思います。基本的には、この幅の数値がある可能性が高いと考えておいて間違い無いかと思います。

では、範囲(range)とは?となると思いますが、これは、FOMC参加者全員の予測数値の範囲になります。2024年度は、0.8 ~ 2.5%とかなり幅があるので、あくまで参考程度でいいかと思います。

下記は、実質GDPの予想推移です。

実質GDPの予想推移

以上から、来年度の実質GDPの予想は把握できたかと思います。

しかし、必ずしも、この予想の範囲内に収まるとは限らないです。その為、不確実性とリスクが、どれくらいになるかをFOMCの参加者が予想しているのが下記の図になります。

実質GDPの不確実性とリスク

図が3枚ありますが、上の図の右側の折れ線グラフは、70%の信頼区間(70% confidence interval)で、70%の確率で、実質GDPの成長率が、この範囲に収まることを意味してます。

左下の図は、FOMC参加者が、実質GDP成長率の不確実性をどう捉えているかを表しています。この図によると、FOMC参加者の大半は、不確実性が高いと見ています。要は、予測が難しいということですね。

右下の図からは、FOMC参加者が、実質GDP成長率のリスク(上振れる、または、下振れる)をどう考えているかが分かります。この図によると、FOMC参加者の大半は、実質GDPの成長率が下振れる可能性高いと考えています。

これらのことから、不確実性のリスクの結果、実質GDPの成長率は下振れる可能性が高いと考えることができます。

結論、実質GDPの成長率は、1.2% ~ 1.7%から推移することを前提として考えるが、不確実性と下振れリスクを考えると、0%台になる可能性も想定しておいた方がいいかと思います。

追記

ここは、金利とISM製造業景気指数を用いての景気予測を記載する予定。。。。

日本

 

 

 

 

 

「実質GDP」と「景気動向指数」に関して確認していきます。

まず、現在の経済状況を確認するには、GDP成長率の把握からですね。
GDPは、名目と実質がありますが、物価変動を除いた実質GDPをしっかり見といた方がいいので確認しておきます。
下記の資料は、日銀が公表している「経済・物価情勢展望レポート」からの抜粋です。

実質GDP(経済・物価情勢の展望)

日銀のレポートによると、24年、25年度ともに23年度と比べると、右肩下がりの予想ですね。

0.9 ~ 1.4%と予想値に幅はあるものの景気が下向きになるのは間違いなさそうです。コロナ禍が -6.0% 近くを推移していたのと比べると、極端な景気後退とはならなさそうです。

ただ、コロナ禍や、他の恐慌などは徐々に起きるのではなく、突発的に(兆候はあるが)発生しがちなので注意は必要です。

今後発生するリスクシナリオに関しては、「地政学リスク」の方で考察していきます。

次に、景気動向指数を見ていきます。

景気動向指数には、先行指数、一致指数、遅行指数の3種類あります。
これは漢字からも分かるように、景気の状態を予想、判断(基調判断)する際に使用されます。
先行指数は将来の景気予想、 一致指数は、現在の景気の予想を判断する際に使用されます。遅行指数は、一致指数だけだと景気の判断(基調判断)が100%当たっているとは限らないので、後から過去の景気がどの状態であったか確定させるための指標になります。
ここでは、現在の景気の状態と将来予想をする為、先行指数と一致指数を見ていきます。

まずは、現在の景気の状態を判断するため、一致指数から見ていきます。

下記の表は一致指数の推移(内閣府経済社会総合研究所)です。

この指数を見る限り、現在の景気の状況は良い状況だと考えられます。

この一致指数の判断(基調判断)には定義があり、下記が定義です。

この上記の定義の照らし合わせると、今回の判断(基調判断)は、①の改善となります。つまり、経済が拡大する可能性が高い(=景気は良い)という判断になります。

次に先行指数を見ていきます。

下記が先行指数の推移になります。

先行指数の推移

この図からも分かるように、2021年の7月のピークとして、右肩下がりで推移してますね。
ただ、基準値を100としているので、100以上であれば景気は拡大傾向(GDPはプラスで推移する)にあると判断することができます。
ここで注意しておかなければいけないことは、景気の100以上で推移しているものの、右肩下がりの点です。今後、景気が急激に悪化すれば、見通しは悪くなり100を切ることも考えられます。
これらの指標で見れば、景気の急激に景気を悪化させる事象がなければ、来年度も景気は拡大(GDPはプラスで推移する)を続けると考えることができます。

下記の図は補足資料です。

これまでの景気サイクルを図で表した資料です。

先行指数推移(1985 ~)

一致指数推移

1985年からの推移ですが、常に山と谷を交互に繰り返しているのが分かります。また、6 ~ 7年に1回は景気が大きく下落することが分かります。
これらのことからも、今後2 ~ 3年以内に景気を悪化させる事象が発生する可能性があると予想することができます。

どのタイミングで発生する可能性があるかは、別途「地政学リスク」で考察していきます。

結論、日本の経済予想としては、来年度(2024年)は景気拡張期を維持し続ける可能性が高い。
ただ、突発的な不景気を引き起こす事象が発生すれば景気後退期に入る可能性がある。2025年、2026年に関しては、景気の谷、つまり景気後退期に入る可能性はかなり高いと考えられます。

中国

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EU

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中央銀行の金融政策

各国の中央銀行の政策は、経済を把握、予想する上で絶対条件になってくるので重点的に考察していきます。

日本銀行FRB連邦準備銀行)、ECB(欧州中央銀行)、中国人民銀行、これらの中央銀行を考察していきます。

米国(FRB

まず、FRBの金融政策を実施する際の前提から把握していきます。

FRB連邦準備銀行)は、3つの政策目標が法律(連邦準備法(Federal Reserve Act))で定められています。その3つとは、「最大限の雇用、物価安定、低い長期金利」です。

特に、「物価安定」に関しては、目標が定められており、2%の目標を掲げています。また、「最大限の雇用」とは、低い失業率と最高水準に近い求人を意味してます。

FRB連邦準備銀行)は、これらを達成する為に、金融政策を決定していきます。

これらの金融政策を理解していく上で、大前提の知識として、「フィリップス曲線」があります。縦軸に物価上昇率(賃金上昇率)、横軸に失業率を取ります。この曲線は、基本的には右肩下がりになると言われています。

つまり、物価上昇率が下がる(賃金減少)と失業率は増加し、物価上昇率が上がる(賃金上昇)と失業率は低下するということです。

この「フィリップス曲線」を前提に、金融政策は行われてます。

以上が、簡単にですが金融政策を考える際の大前提となる考え方になります。(必ずしも理論通りになるとは限らない)

また、重要なことになりますが、金融政策の実行自体は、FRBが行っているのではなく、12個ある地区連銀の中から規模の一番大きい「ニューヨーク連銀」が実施することになってます。

では、具体的にどのような金融政策が行われるのか?

具体的には下記になります(重要なもののみ)。

  1. 政策金利の誘導(FFレートの誘導)
  2. 量的金融緩和

この2点が金融政策を把握する上で重要になってくるかと思うので、これらがどのように、今後実施されていくかを予想していきます。

まず1点目の政策金利の誘導(FFレートの誘導)ですが、SEP(Summary of Economic Projections)から直近の予想を確認していきます。

FFレート

上記の図は、ドットチャートと言って、「FFレート (政策金利)」の見通しを、各FOMC参加者20名が予想している数値を図上にプロットしたものです。

この図から分かるように、直近の参加者が利下げ転じると予想していることがわかると思います。

ただ、必ずしもこの通りに動くとは限らないので注意が必要です。

おおまかな方向性は、利下げに転じる可能性が高いと考えておいて良いかと思います。ただ、ここで重要なのは、各参加者がどのようにして結論に至ったかを考えることです。

大半がFRBが利下げに転じると予想している背景には、利下げに転じる条件が整ってきている(2024年1月)からと考えることが妥当かと思います。

その条件を達成したかどうかを確認するために、確認している経済指標があります。

その指標とは、下記になります。

  • 物価統計
  • 雇用統計
    • 失業率
    • 平均時給

まず、個人消費支出(PCE)から考察していきます。

消費者物価指数(CPI)も重要なのでは?と思われた方もいるかもしれません。

個人消費支出(PCE)と消費者物価指数(CPI)に関しては、重要度としては、個人消費支出(PCE)の方が重要度は高いです。

理由としては、個人消費支出(PCE)の方が算出する際の母数が多いから(簡単に説明すると、、、)です。FRB個人消費支出(PCE)を重要視しているとのことです。

なので、今回は個人消費支出(PCE)のみに焦点を絞っていきます。

下記は、現在の個人消費支出(PCE)とこれまでの推移です。

パッと見ただけでも、物価が下落してきていることが分かります。コロナ禍の反動で物価が上昇しました。

ここで反動とは、コロナ禍後、労働需要の過度な逼迫による、急激な賃金上昇の結果、商品・サービス価格への転嫁が進んだことです。

FRBは、この急激な物価上昇を抑える為、利上げを複数回実施しました。結果として、物価は下落基調になってきています。ただ、まだまだ物価が上昇するリスク(地政学リスクなど)も残っているため注意が必要です。

これまでの物価推移を確認したので、これからのFOMC参加者の予想を確認していきます。

下記は、SEP(Summary of Economic Projections)からの抜粋です。

PCE物価上昇率推移

 

中央傾向(Central Tendency)は、2.2 ~ 2.5%と下落するだろうと予想しています。

この予想から分かるように、これ以上の利上げは必要ないとの見方が強そうだということが分かりますね。

次に、雇用統計を見ていきます。

まずは失業率からです。

下記は、これまでの失業率の推移です。

コロナ禍で急激に悪化して以降、失業率が回復してきていることが分かります。

アメリカの失業率は、順調に景気が拡大している時は、おおよそ4%付近で推移してきました。このことから見ても、現在の失業率は、「最大限の雇用」の水準(自然失業率は3.7%付近)に近いのではないかと考えられます。

これまでの推移を見てきたので、予想を見ていきます。

下記は、SEP(Summary of Economic Projections)からの抜粋です。

失業率予想推移

 

中央傾向(Central Tendency)では、4.0 ~ 4.2%で推移するだろうとしています。

この予想からも2024年度は、このままいけば大きく悪化しないだろうとのことです。

ただ、これらの予想は、「各国の経済予想(米国)」でも説明した通り、上振れリスクが大きいと、大半のFOMCの参加者は見ています。

つまるところ、来年度の基本的なスタンスとしては、「利下げ」を想定して動くでいいかと思います。注意点としては、地政学リスクに注意を払っておき、急激な物価上昇が起きた場合、さらなる「利上げ」を行う可能性があると考えておけば間違いはなさそうです。

日本(日本銀行)

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中国(中国人民銀行

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EU(ECB)

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地政学リスク

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